蛇口の雫の音高く秋雨の夜 松尾 貴史 雫の音、夜の秋雨との比較でしょうか?「秋雨は、秋の冷たい雨。『秋雨前線』のせいか東日本に比較的よく降る雨『すすき雨』ともいう。と、ある本で学びました」屋外で降る秋雨と比べ蛇口の音が大きく(高く)聴こえたということでしょう、その雫の音に何かを感じていたのですね。(田中)
わが胸の不安打ち消す蝉時雨 徳富 ふみ
作者と蝉の声がせつなく伝わってくる(荻島)
雨あがる庭のえくぼに花を置く 荻島 架人 庭のエクボ・・・この表現が面白く、雨をもらって庭全体が笑顔になっている様を感じました。(権代) 庭のえくぼが気に入りました、きっと奇麗な花がさくんだろうと思います。(田中)
壁の余白にもたれかかる午後 佐川 智英実 壁の余白は、日光の当たらなくなった午後の部分、もたれかかる午後、に何かあったのかと声をかけたくなりました。(田中)
(松尾) 松尾)
かかと折れてスクランブル交差点 荻島 架人 踵はヒールの部分それがスクランブル交差点で折れた、スクランブルの真ん中で折れ、周りから衆目の的になり、信号は容赦無く変わりそう、パニック状態です、焦りの感じが句の中にもっと入っていてもいいのかなと思いました。(田中)
80年代のトレンディドラマの第一話を見ているようです。その時に手を差し出し、黙って去っていった彼との再開がこの後に待っています。(佐川)川)
空になるまでラムネひとくち 佐川 智英実
ラムネはビー玉が邪魔して一気に飲めないその感じがうまく表現されていると思いました(権代)
すがすがしいラムネの空を思い浮かべる(荻島)
これ以上歯車でいられない日々 松尾 貴史 作者の気持ちがストレートに伝わりますが組織内での苦悩でしょうか?(徳冨)富)
蝉時雨命の限り生きようか 徳富 ふみ
短期の命の蝉がたくさん鳴いていることに思いを馳せて、自分も命を全うするまで精一杯生きようとしている姿に感動しました。(権代)
鳴きしきる蝉の声の中、作者の決意を感じます。不安な気持ちと戦いながらも、人に依存しない生き方を模索する姿に心打たれます(佐川)
揺れ動く好きという言葉のすきま 荻島 架人
好きと言うか言わないかその揺れ動く心の隙間!!この微妙な感じがいいですねー!!(権代)
夜をとどめようとしている星一つ 松尾 貴史 最期まで粘って輝き、夜のままいさせようという視点の転換が面白いと感じました。(権代)
一つだけ輝く星、こちらの寂しさも全部わかっているかのようですね。(佐川)
先に咲いて春を待っている 松尾 貴史
なるほど!!と思って一票!!(権代)
草の背高く緑の暑く 田中 美太 夏を感じさせます。緑が暑い・・・この表現が面白いと思いました。(権代)
我家の庭の景色みたいで…^^;(徳富)
我が家には自然農に憧れながら、手に負えなくて結局バリカンで刈っている花壇があります。あのイネ科の草を使いこなせる自分になりたい(佐川)
癌を病む夫の余命やわが覚悟 徳富 ふみ 読ましていただき、すごい覚悟だと思いました、私にはとてもできません。しかし覚悟の中に望みを入れてください。諦めないでください。(田中)
二回目も無事に開催することが出来ました事、会員皆様に感謝いたします。
今回は山口県の松尾貴史さんに参加して頂きました。
幸せます句会では、過去に結社や句集などに発表された作品もあまり気にせずに、投句していただきたいと考えています。