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第11回 選句結果 令和5年10(赤字は特選)

 

 

 

 

写真の前で独り言 もう届かない   権代 祥一

私も仏壇の亡き夫の前でよく独り言を言いますから(徳富)

時の流れははやく、人の気持ちも変わりやすいものです。最初は亡くなられた方の写真かなと思いましたが、そうじゃないかもと、思ってみたり(佐川)

 

 

分け合った冬瓜が透明な夕餉   佐川智英実

煮ると透明になる冬瓜、見るだけで何だか気持ちが和らぎますが、誰かと分け合ったものならなおさらですね。(葉子)

 

 

トンボ群れ飛ぶ庭に佇む     徳富 ふみ

最近トンボを見ていないことに気づきましたが、庭に佇む気持ちが何となく解って共感するところがあります。(権代)

トンボの大群に圧倒されながら眺めていたころを思いだしました。ずいぶん昔のことです(佐川)

 

 

いつも小さなクレヨンの青    田中 直心

句に青が入ると、ぐっと詩的になりますね。私は肌色がすぐチビになりました。(佐川)

 

 

そういえば手紙届いたか 去り際に聞く  葉子

作者と聞いた相手の方の関係がよく分からないのですがなんとなく頂きました(徳富)

 

 

絵本の海およいできた朝の疲労  佐川智英実

図書館の絵本コーナーが連想されて、お母さんおつかれさま!って声をかけたい感じです。(権代)

 夢から覚めたときの疲労感をイメージしました。絵本の海、素敵な言葉だなと思います。(葉子)

 

亡き夫は今頃何処を歩いているか   徳富 ふみ

歩いている場所や、時間の流れを想像させられるようでした。ゆったりとした時を過ごされているといいですね。(葉子)

 

 

笑って笑ってひろい集める柿の種   佐川智英実

笑い過ぎてこばしちゃったの図が見えるようで、いいですね。(権代)

柿の種が盛大に散らばったのでしょうか、拾うのは大変だけれど、笑い転げるような楽しさが心に残りますね。(葉子)

 

介護の辛さ吐きし短歌今は懐かし   徳富 ふみ 

私にも経験がある辛さです、それを短歌にして乗り越えて、今は懐かしいと思える。懐かしさの中には、きっと悲しみや、後悔も去来していると思います。(田中) 

 

置き去りにした自分を息子に見る  権代 祥一

なんとも言えない深い作者の思いが伝わってきます(徳富)

 

 

軍手についた籾のこれから    佐川智英実

まいりました、、。笑 いいですねー!!実は「軍手に一粒の籾の生殺与奪を握る私」という句を改稿して「軍手に籾一粒 命の行く手を握る」としました。(権代)

 

 

外飼いの猫が私についてくる   徳富 ふみ

(佐川)

 

 

靴下の見通しが明るいかかと   田中 直心

穴の向こうは明るいと、靴下を覗いている様子が浮かびます。塞ぐのを先延ばしにしそうです。(葉子)

夫の踵がざらざらを通り越してギザギザで、突然大きい穴があくのですが、こんなにもプラス思考の考え方があるのですね。(佐川)

 

 

信号の色西からの槍に攻められ  田中 直心

西からの槍、という表現にひかれました。目が眩むような西日、一日の終わりの力強さを感じます。(葉子)

 

 

台風で倒れしコスモス花をつけ   徳富 ふみ

「踏まれても踏まれても、根、強く忍べ道草の、やがて咲き出る春を忍びて」と。教えられます。(田中)

 

 

空にまだ暮れないでとつくつくぼうし  葉子

秋風と共に多く現れるつくつくぼうし、晴れた空のお日様にお願いしています、日が進めば、秋が終わってしまうと。いい句だなと素直に思う(田中)

切ないつくつくぼうしはこんな感じですよね。(権代)

 

 

気づく 世界は小さな突起だらけ  権代 祥一

ほんと、突起だらけの落とし穴だらけです。(佐川)

 

 

あの山もゆっくりなでられている雲の影  葉子

雲の影がゆっくりと山をなでる、、まるで犬の頭をなでるような、、、そんな雄大な景が見えて素晴らしいと思いました。(権代)

子供の頃に見ていた山でしょうか。雄大な風景が浮かびあがってきました。(佐川)

 

 

 

 

 

お知らせ

権代祥一さん、防府市市民文芸年度賞を受賞されました。

佐川智英実さん、第一八回 防府市自由律俳句大会 市長賞(一位)を受賞されました。

 

 

 

 

次回の締切は一月十日です

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