記憶の上澄み優しくすくって 葉 子
記憶の上澄みはきっと良かった記憶だけだと思います。乳清のような記憶でしょうか。(権代)
楽しい思い出も、100パーセントが楽しいわけでなく、心の底に沈んだネガティブな感情もあります。それでも、透明で澄んだところだけを掬いとる、作者の前向きさと強さを感じ、詩的でいい句だと思いました。(佐川)
お月さんと今日は定時で帰ります 佐川智英実
月がとっても青いから・・・定時で帰るって感じ。きれいなお月さんが見えてくるようでいいなぁと思いました!!(権代)
お月さんが見守ってくれる帰り道を、足取り軽く歩いていく様子が浮かびます。(葉子)
目が合って名前を呼べばにゃ~と鳴く 徳富 ふみ
呼べば返事をくれる間柄がとてもあたたかく、大切に思われていることが分かります。(葉子)
にゃ~がいいですね。情景がありありと浮かんできました。(佐川)
言えなかった胸ポケットにある言葉 佐川智英実
胸ポケットにというハートに近い場所に入れてあったのがいいなぁと思いました。(権代)
私にはとても響いた句です。毎日のように想いだす人です、あの時、こう言っていれば、こうしておけば、などと思い出します。(田中)
その言葉が何かは分かりませんが作者の深い想いが推察されます(徳富)
手が届くところにあるのになかなか表に出せないもどかしさがあり、淋しさもあり、ほんのり可愛さも感じてしまう、心に残る句です。(葉子)
コロコロコロリ炬燵で眠る子守唄 田中 直心
そもそも炬燵というものが子守唄のようです。(権代)
幼い頃の気持ちのよい感覚を思いだしました。風邪をひくと祖母にしかられるのですが、今では私がホットカーペットで寝ている夫をしかっています。(佐川)
背負いたいみんな持ってる不幸の欠片 田中 直心
なんて優しい方なんでしょうか❗私も見習って他の為に生きていくつもりですがなかなか難しいですね…😣(徳富)
掌(てのひら)で燃える缶コーヒー 権代 祥一
さすがに、これは熱すぎるだろうと思う缶コーヒーありますよね。でも、次には嬉しくなるという、人はわがままな生き物です。(佐川)
舟歌をしみじみと聴く日になりて 徳富 ふみ
八代亜紀さんが永眠。しみじみとします。(権代)
まさか、まさかです。いつもはおんな港町ですが、今日は舟歌を静かに聴こうと思います。(佐川)
再会はジャングルジムのてっぺんで 佐川智英実
ジャングルジムの、てっぺんで、遊んでいたら偶然、竹馬の友と出会いました。ここまでしか書かれてはいませんが、この場所で「びっくりしましたよ」などと話し続けて、月など眺めて欲しいと想いました。こんな感じの本読んだ気がします。いい絵です。(田中)
「またここで会おうね」と約束している場面が浮かびました。懐かしい気持ちになる句です。(葉子)
後何年我に有りかと思う日々 徳富 ふみ
寂しいことを言わないで、毎日を前向きにお過ごしください。
誰も明日のことはわかりません。お互いに前向きでいきましょう。気持ちはとても分かります。(田中)
身が引き締まるような、一日を大切にしたくなるような句だと思いました。(葉子)
側転逆立ちつぎつぎたこ焼き 葉 子
美味しそうなたこ焼きが見えてきました。(権代)
たこ焼き屋さんの素晴らしい、さばきが目に浮かびます。
出来上がるのが待ちどうしいですね。食べたくなりました。(田中)
なんと…焼かれるたこ焼きで句が出来るとは。イオンに行っても、ぼんやりしてちゃダメだと、実はとても響いたのでした。(佐川)
風に聞こうか分かれ道 佐川智英実
風の向くまま、気のむくまま・・・・古人の言う通り人生は旅なんでしょうね。(権代)
何度も人生の決断でそう思った事がありました(徳富)
無言の蜘蛛が糸の先で集中 権代 祥一
一心に何かをしている虫の様子、無心になって見てしまいますね。(葉子)
我が家の庭は蜘蛛があちこち巣を作っています。集中がちょっとよく分からなかったのですが…(徳富)
蜘蛛も集中しているし、それを見ている人間も集中しているという面白い句ですね。世の中が複雑になり、あれこれと考えがちですが目の前のことに集中せねばと、最近とくに自分にいいきかせています。私にとっては、とてもタイムリーな句です。(佐川)
弱々しいな爪破る 田中 直心
瓜と爪、似てるなぁ・・・・意味が多重に取れて面白い句だと思いました。(権代)
私の足の小指の爪のことを、なぜ知ってるの…!(佐川)
次回の締切は四月十日です。