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第10回 選句結果 令和5年7(赤字は特選)

 

 

 

生まれたての気高さは泣き止まない  権代 祥一

精一杯生きようとする姿を気高さと表されたところがとても印象的でした。(葉子)

 

 

頭の中身みんな捨て山に降る星    木下露子

からっぽにした頭に星空が焼き付くような、何にも代え難い時間だったのですね。色んなものに埋もれて余裕がなくなった時に思い出したい句です(葉子)

なんとなく心境が分かる気がします(徳冨)

もっと頭の中を単純にしたい。この夏が過ぎたら、もう少し自然に触れようと思います。(佐川)

 

 

 

ぺったんぺったん月の兎がついた嘘   佐川智英実

そう! うさぎも女の人もいませんでした。(権代)

 

 

 

ひとりはやはりさびしい     徳富 ふみ

ひらがながぽろりと呟いているようで、寄り添わずに居られません。いつも傍らで支えてくれる、最適な存在が見つかりますように。(葉子)

 

 

 

明日があるから伸びる豆苗       佐川智英実

人の成長もこうあって欲しいものです。 (権代)

 

 

雲の前に今日の山靴を脱ぐ       木下露子

なんともほっとした疲れが飛んでいく感じがあっていいなぁと思いました。(権代)

人は無力で、ちっぽけな存在ですね。もうずっと山には登っていませんが、昔感じた思いがよみがえりました。(佐川)

 

 

どんよりした不安 傘はあるけど  権代 祥一

分からないけど引かれて(徳冨)

 

 

 

山のてっぺん風が騒いでいるばかり 木下露子

そんな風景を地元の山で見たことがあります。(権代)

 

 

過去ですらなく何もかも更地  佐川智英実

何もかも無くなって、更地になり過去の面影もありません。しかし何もないからこそ、新しい世界は開けていくと思います。(田中)

 

 

 

激安の裏側は涙のプール 権代 祥一

確かに!私たち買い手には激安は有難い!しかし、その裏で売り手の涙があることを忘れてはなるまい。このご時世だから特に!(木下)

本当にそう。良いものを大切に使えばいいのだけれど、セールの文字にドーパミンが抑えられない私がいます。(佐川)

 

 

沈黙重ね合って子つばめの留守番  葉子

そうなんですね、私は巣の中の子つばめはいつも「ぴーぴー」騒いでいるとばかり思っていましたが、親が餌を捜しに行っている間は静かにしているのですね。天敵から身を守る術を雛のうちから学ぶのですかね。よく観察していると思いました。(木下)

なるほど、親への餌くれアピールが印象深いですが、親がいない時は真逆なのですね。巣から顔をだしたかわいい様子と自然界の厳しさが感じられ、唸ってしまいました。天にしようか悩みました。(佐川)

沈黙が重なる・・・おもしろい表現だと思いました。留守番中のヒナは本当に静かです。(権代)

 

 

 

砂浜に放物線を描く夏帽子   佐川智英実

上手い句です。風に飛ばされた夏帽子が放物線を描きながらコロコロ転がっている。まさに夏の風景です

(木下)

絵になる風景が浮かびます(権代)

 

 

 

心の汚れパンパンたたいて雪山に立つ   木下露子

雪山を制覇し心が洗われたようです、そして汚れをパンパンたたいて、洗われた心に、気合を入れています。何か吹っ切れた、新しい何かの始まりを感じます。(田中)

気持ち良さそうです(徳冨)

 

 

 

河岸のでかい岩に寝そべる   田中 直心

気持ちいでしょうねえ。あおぞら、浮雲、せせらぎ、超贅沢なお昼寝タイムですね。(木下)

日当たりがいいと気持ちがいいですよね。(権代)

「でかい」がいいですね。とても、気持ちがいい句です(佐川)

日が当たって温もった岩の上、背中もじんわりと暖かくなる感じが想像されます。まるで日向ぼっこをするトカゲになったような······自分より大きいものに触れるっていいですね。(葉子)

 

 

 

雨に濡れても餌食べに野良猫来る   徳富 ふみ

雨の中でも餌を貰いにくる野良猫への愛情があふれています。何でもない描写に作者の優しさがでています。(木下)

濡れるのは苦手なはずなのに、それでも餌を食べに来る姿を労いつつ、来てくれたことにほっとするような、愛おしい気持ちになりますね。(葉子)

雨に濡れても、宿無しでも、腹が減れば生き物は食べ物を探します。腹を満たさねば、心も乱れます。

過去からもそして今も、人間の努力は、食糧を得る事だと思います。(田中)

淋しさの中に猫と作者のつながりが感じられ、しんみりしました(佐川)

 

 

 

雑巾が教えてくれる心の洗い方 権代 祥一

お寺などの修行で雑巾掛け、年末に大掃除、それらも含め、雑巾は心を洗い直す道具だと思います。

(田中)

ゴシゴシと無心で擦って、浮き上がる汚れや濁った水にサヨナラし、きれいな水で濯ぐ様子を思い浮かべました。何度でも爽やかな心になれるよう、洗い方を知っておかねば!ですね(葉子)

 

 

雲海が茜色に染まってすこし神様のそば  木下 露子

素晴らしい景色が目に浮かびます(徳富)

 

 

 

縮まらない距離ときどき敬語     佐川智英実

最初は敬語で、同じ年齢のような気がしてタメ口になると実は年上でまた丁寧語に戻ったりして。笑 でも、この距離感は大事だと思います。(権代)

人間関係によく現れる絵です、相手の情報が少なかったり、でも、とても

関係ある友人などになりたい。敬語も絡みます、でも気になって仕方がないのですね。分かる気がします。(田中)

お相手、それともご本人でしょうか···?仲間がここにもおります。敬語が自然に抜ける人に憧れます。(葉子)

 

 

この度、幸せます句会は10回目を迎えることができました。会員皆さんには、心より感謝いたします。

10回記念として、俳句クラブ「茉莉花」代表の木下露子さんをご招待いたしました。「茉莉花」は年に6回の会報を発行されている、とても活発な誌上句会です。暑い夏に涼風を与えてくれる、素敵な句の数々を投句していただき、いつもとまた違った会を開催することが出来ました。

これからも幸せます句会は、会員みなさんと共に成長していきます。会員の皆さん、そして木下さん、本当にありがとうございます。

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